またまた「終活セミナー」に行ってきました。
今回のテーマは「家族葬」でした。
これまで安直に「こじんまりと家族葬でいい」と考えていました。でも、「実は家族葬ってけっこうタイヘンかも?」というのがセミナー直後の感想です。
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自分が元気なうちに自分の葬儀についてどうするかを考えておく「終活」の必要性をまた考えさせられました。
目次
家族葬とは、集まってもらう人を葬家が決めるお葬式
家族葬を選択する人が近頃増えています。
家族葬とは…
家族などの近親者だけで行い、近親者以外の儀礼的社交辞令的な弔問客の参列を拒否するお葬式のことです。
気心の知れた家族や身内だけで故人を送ることができます。
家族葬が好まれる理由には、社会的な背景の変化が関連しています。
・高齢化と少子化が進行しています。
・地縁・血縁関係が希薄化しています。
・価値観の多様化が進んでいます。「自分たちだけで送りたい」「弔問客との対応が煩わしい」「お葬式の費用をなるたけ抑えたい」などと考える人が増えています。
でも、家族葬と名前は違えども、お葬式の儀式は一般葬と何ら変わりません。
家族葬は「通夜や告別式に集まってもらう人の範囲を葬家が決める」という点が違うのです。
家族葬のメリットは「オリジナル」で「きちんとお別れ」
家族葬のメリットは、オリジナルなお葬式ができて、故人ときちんとお別れすることができる点です。
一般の葬儀ですと弔問客も多く、対応に追われ、バタバタと忙しい思いのうちに通夜・葬式が通り過ぎてしまいがちです。
家族葬の場合、故人を偲ぶ方法を自分たちで工夫できるので、故人とのお別れをきちんとしっかりとすることができます。
例えばこんなコトもできます。
・通夜時にお棺の蓋を開け、お顔の近くで故人と一緒に食事。
・通夜や式中に、モニターで思い出の写真をスライドしながら、親族・親しい友人で一人づつ語る。
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・献花や焼香の際に一人づつ手紙を読み上げる
(宗教者に確認した方がいいです)
・故人の好きな歌をみんなで歌う
きちんと「お別れの儀式をした」という気持ちになれそうですよね。
家族葬で困ることもあるんです
「家族葬」はまだまだ浸透不足。理解してもらえないこともあります。
親戚・知人にもきちんと説明が必要になります。
家族葬は、お葬式が終わった後がタイヘンかもしれません。お葬式に来られなかった方が、後日、自宅へ弔問に来ることがあります。
家族葬は人数が少なくて費用が安く済みそうですが、実は香典も少ないため、逆に費用がかかる、とも言えます。
家族葬でいちばん困るのはやはり「呼ぶ人・呼ばない人の線引」が難しいことです。
家族葬のときの香典・供物とかはどうするの?
家族葬の場合、悩むのが香典やお供物。
「家族葬ですので…」と香典・供物の辞退や弔問・会葬の辞退を考えますが、ここは慎重に伝えたほうがいいですね。
香典に関して、親戚の方は「お互いっこ」という考え方があったり、ご近所様も拒むのもどうかな?と思ったり…悩ましいです。
こちらはこじんまりとやりたいけど、来てくれた人にお断りするのも申し訳ないし…。
言葉通りに受け止めた人が辛い思いをすることにならないようにしたいものです。
やはり香典返しをいちおう支度しておいた方がいいそうです。
お供物(生花や花輪・籠盛り)については、送る側が配慮できるといいですね。少人数の家族葬の場合、会場が広くなくて困るかもしれません。送る側の人は家族に確認してから、の方がいいでしょう。
家族葬の場合、新聞等、おくやみ欄や訃報はどうするの?
家族葬でも新聞や町内会等の訃報でお知らせする方が増えています。
家族葬をお知らせするときのポイントがあります。
通夜や告別式の時間や場所をお知らせする際、「備考」欄を利用して家族葬の旨を丁寧に伝えましょう。
ポイントは
・「誠に勝手ながら」を入れます
・「故人の遺志により」を入れます
・「家族葬にて執り行います」に次を足します。
「ご弔問、ご参列はご遠慮ください
通夜のみご弔問をお願いします」
「やってよかった家族葬」にするには
家族葬はよく考えるとタイヘンかもしれません。
家族葬は遺族側の意向で、ある程度自由にできるのがメリットです。
でも、それが逆に遺族の負担になるかもしれません。
宗教儀礼に変わるプログラムを全て遺族が考える必要があるからです。
また、家族葬について、周囲の理解が得られないこともあるかもしれません。事前に親族等へ理解を得ておく必要があるでしょう。
ただ、最もだいじなのは故人の遺志だと思います。
「故人の望み」は誰もが叶えたいものです。
家族葬を誰もが納得する「やってよかった」と思える葬儀にするためにも、元気なうちに葬儀についてを話し合い、気持ちを伝え合うことがだいじですね。
まとめ
家族葬は思いの外、タイヘンなこともあると分かりました。
お葬式は故人のために行うものでもありますが、遺族や周りの人たちにも大切なことです。
遺族にとって、お葬式は
現実を受け入れ、更に一歩前進するためのプロセスです。
周りの人々にとって、お葬式は
悲しみを共有し、遺族を励まし、今後のよりよい関係を築くための場になります。
お葬式を執り行うことで
「きちんとお別れをする」
それがだいじなんですね。
自分のお葬式をどんなお葬式にしたいのか、遺された人に任せずに、元気なうちに自ら考えておきましょう。