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歳を重ねるほどに、訃報に接することがふえてきます。近親者、友人、職場の関係者など。そのたびに悩めるお焼香の作法。一番大切なのは「供養する気持ち」であり、形式的なことはその次でしょう。でも、一度、基本を押さえておきたいです。宗派によっても少し違うようです。



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お焼香の作法はあるけれど大切なのは…

「焼香」は仏教の供養の方法です。神道では「玉串奉奠」がそれにあたります。キリスト教では「献花」を行います。

 

作法は前の人に倣う

宗教により、供養の仕方が変わります。さらに、同じ仏教でも、その宗派や地域によって焼香の作法が異なります。ですから、作法は、喪主や菩提寺などの葬儀を取り仕切る寺院等の意向に沿って行う、というのが基本でしょう。

多くの場合、式が始まる前に葬儀会社のスタッフなどから説明されることが多いです。もし、不安な場合や分からない時には、スタッフに確認したり、前の人の手順をしっかり見て倣うようにしましょう。

時には時間の都合で焼香を1回にするケースも多いです。

自分が知っている作法と違うからといって、自分のやり方を無理に押し通さないほうがいいですよ。

 

故人を供養する気持ち

焼香の作法が気になりますが、たいせつなのはなくなった方への供養の気持ちです。

特に、キリスト教の「献花」や神道の「玉串奉奠」などは、初めて体験する参列者も多いと思われ、葬儀会社のスタッフ等からの説明があることが多いです。説明されても、その時の説明だけでは覚えきれなくて慌ててしまう気持ちになってしまうことも多いです。

大切なのは、亡くなった方への供養の思いを込めて行うこと。多少作法が崩れてしまっても仕方ありませんよ。

 

それとともに、できる限り先方に合わせる気持ちがたいせつです。
自分がキリスト教徒でも、仏教の葬儀の場合は焼香と合掌をします。逆に自分が仏教徒であってもキリスト教の葬儀でしたら、献花とお祈りをします。

 

基本の焼香・玉串・献花の作法は…

仏教(焼香)の基本

①焼香台の手前まで進み、遺族と僧侶に一礼します。

②正面に向き直り、遺影に向けて一礼後、合掌します。数珠を持参した場合は、左手に持ちます。

③焼香台に進み、焼香します。

④抹香を右手親指と人差し指・中指の3本でつまみ、目の高さに掲げます。

⑤香炉の中に静かに落とします。これを1~3回繰り返します。

⑥再び合掌し、遺影に向けて一礼後、僧侶と遺族に一礼して自分の席に戻ります。



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※葬儀式場の場合は立って焼香する「立礼焼香」が多いです。
自宅や畳敷きの式場などでは「座礼焼香」(腰を落として焼香台まで移動します)、「回し焼香」(香炉を参列者の間で回します)のケースも多いです。

 

神道(玉串奉奠)の基本

①祭壇に進み、まずご遺族に一礼をします。

②神官もしくは担当者に一礼して両手で玉串を受け取ります。
このとき、右手は根元を上から包むように、左手は枝先を下から添えるようにして持ちます。

③そのまま玉串案(玉串をのせる台)の前まで進み、祭壇に向けて一礼します。

④まず右手で持っている根元を手前にして玉串を縦にします。今度は根元を左手に持ち替え、根元が祭壇に向くよう、右回りに半回転させます。

⑤根元を祭壇に向けて玉串案の上に置きます。

⑥正面を向いたまま2~3歩退き、二礼してから柏手(かしわて)を2回打ちます。このときの柏手は「忍手(しのびて)」といって音を立てずに打つのがしきたりです。

⑦最後に再び一礼して退き、神官やご遺族に一礼してから席に戻ります。

 

キリスト教(献花)の基本

①祭壇に進み出て、ご遺族に一礼をします。

②花の部分が右側にくるようにして、両手で係の人から花を受け取ります。
このとき、右の手のひらは上向きに、左の手のひらは下向きになるようにします。

 

③両手で持ったまま献花台の前に進み、祭壇に向けて一礼します。

④根元が祭壇の方に向くよう右に回して花を持ち替え、左手を下から花に添えて献花台の上に置きます。

⑤手を合わせて黙とうするか、深く一礼します。

⑥そのまま2、3歩下がり、ご遺族に一礼してから席に戻ります。

 

黙とうの際、カトリックでは十字を切り、プロテスタントでは胸の前で手を組みますが、信者以外は、ふつうに手を合わせて黙とうしても構いません。
参列者が多く、時間がかかりそうな場合は、献花を省略し、全員で黙とうを捧げる場合もあります。

 

※キリスト教では「献花」が多いのですが、まれに「献香」として拝礼を焼香で行うケースもあります。

※キリスト教ではお悔やみの言葉は避けましょう。
キリスト教では人が亡くなると「神のもとに召される」という考え方です。
「お別れにおうかがいしました」「安らかなお眠りをお祈りいたします」などの言葉をかけましょう。

 

仏教の宗派別の焼香のポイントは…

仏教での供養の方法の「焼香」は宗旨宗派によって違いがあります。
さらに、地域によって変わることもあります。

 

おおまかにはこんなカンジです。

 

◎天台宗

回数は、3回、あるいは1回とする場合が多いです。右手で香をつまみ、香炉に静かに落とします。香を額におしいただくか否かの厳密な決まりはないようです。

 

◎真言宗

回数は3回です。香を右手でつまみ、3回とも、あるいは最初の1回目だけを額におしいただくようにします。その後、香炉に静かに落とします。

 

◎浄土宗

回数に決まりはありません。香を右手でつまみ、その手をそのまま仰向けにします。左の手のひらを右手に添えるようにして、額におしいただき、香炉に静かに落とします。

 

◎浄土真宗 本願寺派

回数は1回です。右手で香をつかみ、そのまま香炉に静かに落とします。

 

◎浄土真宗 大谷派

回数は2回です。右手で香をつかみ、そのまま香炉に静かに落とします。

 

◎臨済宗

回数に決まりはありません。右手で香をつまみ、反対の手のひらを添えるようにして額におしいただき、香炉に静かに落とします。

 

◎曹洞宗

回数は2回です。1回めは香を右手でつまみ左手を軽く添え、額におしいただいて香炉に落とします。2回目は香をつまみそのまま額におしいただかずに1回目の主香に添えるように落とします。

 

◎日蓮宗

回数に決まりはありませんが、3回が多いです。右手で香をつまんで額におしいただき、香炉に静かに落とします。

 

 

まとめ

不慣れな葬儀の場で、遺族が見つめてるなかで行うので、失敗しないように、と緊張してしまう「焼香」。今回調べてみて思ったのは、どれもそんなに大差無いんだな、ということですね。

焼香の回数や基本の作法はありますが、大切なのは故人を供養し見送る気持ち。それと、遺族へのねぎらいの気持ち、葬儀を取り仕切る僧侶への感謝の気持ち。その宗派の作法がわからなくても、心を込めて焼香したいものです。

 


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