お葬式の費用ってどれくらい?最も気になるところです。
お葬式を執り行う場所や参列していただく対象の範囲によっても変わりますし、宗教によっても変わります。
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今回、私も母の葬儀を急に執り行うことになって、葬儀会社や身内と相談しながらバタバタといろいろ決めました。そうしてなんとか無事に葬儀を終えることができました。
落ち着いてからいろいろ整理してみると葬儀にかかった費用はそこそこ驚きの金額になっていました。
目次
葬儀費用は大きく分けると3つ
お葬式の費用は大きく次の3つに分けられます。
・葬儀一式(安置・式場・祭壇・その他必要品)
・返礼品・飲食接待(香典返し・引き物・食事関係)
・お布施(当日の僧侶の人数等により変わります)
お布施はお寺様へ払います。それ以外の多くは葬儀会社へ支払うことになります。
葬儀会社の人が言う「葬儀費用」には「お布施」の額は含まれていないことが多いです。
でも「お布施」はけっこう大きい額です。忘れるわけにはいきません。
母の葬儀の費用はこんな数字になりました。
<合計 2,981,000円>
葬儀一式 1,516,000円
返礼品等 930,000円
お布施 535,000円
取り立てて奮発しようとか華美にしようした訳ではありません。
ただ自分の地域(中部地方)は全国から見ると、葬儀費用の平均が高めの地域、ということはあるかもしれませんが。
葬儀費用の多くは葬儀会社へ支払う
葬儀費用の多くを葬儀会社へ支払うことになります。
故人の最期を故人に喜んでもらえるように、遺族や参列者がきちんとお別れできるように、葬儀会社もいろんなアイデアを提案してくれます。こちらが気づかない細々したことも教えてくれる葬儀会社をしっかり選びたいものです。
葬儀会社のお世話になるのは病院を出るときから
亡くなった母を病院から連れて帰る際には、どこの葬儀会社にお世話になるのかを決めなければなりません。
地元には葬儀会社がいくつかあるのですが、お願いする葬儀会社は自分の中ではおおよそ決めていました。
・いろんな人の会葬に行った際の式場関係者の丁寧な対応
・地元では最大手なので経験数が多いのは安心
・事後のフォローも期待できそう
それらを考えて決めました。
その段階からも、身内(3姉妹とその旦那さんたち)と相談しながら決めていきました。
その葬儀会社の「夜間の担当の方」が、母を車で自宅へ運んでくださり、その後のやるべきこと等を教えてくださいました。通夜、葬儀の流れや、まずはお寺に連絡して日程を決めましょう、などと教えてくれました。
姉夫婦は父上母上を少し前に送った経験があるので、だいたいの流れは承知していてくれます。ですが、地域によって慣例の違いもありますし、はやり地元の葬儀に詳しい葬儀会社の人の話を確認しながら、みんなでひとつひとつ決めて行きました。
葬儀費用に含まれているものとは…
3人姉妹とその夫たちとが頭を突き合わせて、葬儀会社の人の説明に従い、母の葬儀について細かく決めていきました。
前述したように、お願いした葬儀会社は地元の大手で、数多くの葬儀を執り行っている会社。いろんなケース、いろんな思いの人を知っているのでしょう。説明もスムーズですし、私達が迷うところもしっかりフォローの説明をしてくれました。
短い時間の中でものすごい数の決めごとをしました。
その結果が前述の費用の数字になりました。
それぞれの中に含まれるものはこんな感じです。
●葬儀一式1,516,000円に含まれるもの
・遺体搬送(病院から自宅へ)、遺体用布団、ドライアイス
・祭壇、各種飾り、記帳、受付、焼香、役所手続き、式進行司会
・盛物、遺影写真、棺、メモリアルフォト、湯灌、納棺、ホール使用料、控室使用料、お別れ花束、霊具膳、骨瓶、和装束
・遺体移送(自宅から式場へ)、霊柩車、バス
・喪服レンタル、布団レンタル
●返礼品・飲食接待930,000円に含まれるもの
・通夜食事、火葬場での飲食・精進落し料理等飲食40人分
・返礼品24件分
・香典返し品300個
葬儀会社の価格設定は絶妙…
この葬儀に係る費用の中で、そんなに無駄な物、派手な物を選んだつもりはないです。
でも、一部にアップグレードしたものもあります。やはり最愛の母の最期ですから、母が喜ぶことをしてあげたい、と思うのは3人姉妹共通の思いでした。
葬儀会社の担当者からカタログを見せられると、やはりランクアップしたくなるものもあるんです。
・祭壇はやはりあまり貧相なものは選べなくて、中程度以上の物を選びます。おそらく50万円程度上乗せです。100万円以上のものもありますがさすがにそれは手が出ません。
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・棺についても、最もシンプルなものは38,000円の「プリント棺」というものもありました。でもピンクの花柄の「布張棺」105,000円をチョイスしました。
・骨瓶も無地のものではなく胡蝶蘭が描かれたものは2,000円アップです。
・棺いっぱいの花で母を送り出して上げたいから、と納棺用お別れ花束を10,000円アップ。
葬儀会社の価格設定は絶妙です。うまく設定されてるなぁと感心しました。
互助会加入はやっぱお得でしょう
葬儀会社にはたいてい互助会制度があります。内容は葬儀会社ごとに多少違いはあるのでしょうけれど。
自分は互助会に加入していなかったのですが、もし加入していたならばこの葬儀費用はもっと安くできたそうです。おそらく40万円程度安くなったようです。
互助会の掛け金が合計約12万円。それで40万円の費用削減ができるのならとってもお得ですよね。
それを知ると、今後は自分の葬儀のためにも加入しておこうと思ってしまいます。誰が喪主をやってくれるのかは分かりませんが…。
さらには、少しでも費用が安くなるように、遺された人を悩ませることがないように、自分の葬儀の「生前契約」のことも考えるのもいいかな、と思っています。
葬儀終了後もまだまだ出費が…
通夜・告別式を終えてもまだしばらく出費がありました。
「後返し」もそこそこの費用がかさみます。
お香典を多く頂いた方へは当日の香典返しだけで済ますことはできません。「後返し」」として感謝の品を贈ります。いただいた香典の額の「半返し」を目安に商品を選んで、挨拶状を添えて発送しました。外熨斗(のし)にして「志 ○○家」と書いてもらいました。
それも葬儀会社で引き受けてくれますが、近くのショッピングセンターでギフトカタログ等を贈る方法と併用しました。
結局、後返しとして29件160,000円くらいかかりました。
また、「費用」とは少し違うのですが、娘が「手元供養」のためにブローチを購入しました。少量の粉状にしたお骨を入れられるアクセサリーです。これが約30,000円でした。
娘はおばあちゃんが大好きでした。生まれたときからずっと一緒に暮らしてましたからね。
お布施の額は全部で535,000円
うちの菩提寺は曹洞宗のお寺です。父の実家と同じお寺に、28年前、父の葬儀の際に墓地を購入し墓石を建てました。母はここで父と再び一緒になります。
住職に葬儀の依頼をするときは…
「住職様には『○日のご都合はいかがですか?』と聞きましょう」…
葬儀会社の方がアドバイスしてくれました。
葬儀の日程にはお寺の都合も大事ですが、火葬場の空き具合も把握してからでないと話が進められません。葬儀会社の方が火葬場へ確認してくださったうえで、「○日に葬儀を依頼したいのですが住職様のご都合はいかがでしょう?」と聞くのです。
その確認の電話の中で、さらに枕経の時間、通夜経、告別式の時間、僧侶の人数などを決めていきました。
そして「お布施の額」については葬儀会社のタッチするところではありませんので、住職様にお尋ねしたところ、「お寺の世話人会の方で『申し合わせ』があるのでその額でお願いします」とのことでした
お布施の額は寺の世話人会の申合せで
「世話人会の申し合わせ」について親戚の長老に聞いてみました。さっそく叔父がコピーを持参して来てくれました。
お布施の額は戒名のランクによって違いがありますし、当日式場へ来てくれる僧侶の人数によっても変わります。その他、車代とか会食のこととかが申し合わせてありました。
それに従って計算すると今回のケースは合計535,000円になりました。
決して安いとは思えない金額ですが、このように明確に決っていると、何も悩むことがないのでとてもラクチンだと思いました。
このお布施の当日の渡し方についても細かい決めごとがありました。
のし袋の数とか、表書きとか、お盆にのせて渡す、とか…。
でも、式場のお世話係の方が、葬儀の前日や当日に丁寧に教えてくださったので問題なくお渡しすることができました。
神道のお布施はもっと安いらしい
お布施の額にびっくりしますが、後々聞いた話では、神道の場合はお布施の額がぐっと低くなるそうです。宗教にこだわりが無ければ、神道を検討してみるのもありかもしれません。
葬儀が終わって1ヶ月くらい経過した頃、母のお友達がうちへお参りに来てくれました。そのときに聞いた話です。
そのお友達は1年半くらい前にご主人を亡くされました。特にお寺とか宗教とかが決まっていなかったので、いろいろ探してみたところ、仏教に比べ、神道の方があとあと費用がかからないことを知ったので神道で行くことに決めたそうです。
・お布施は十万円単位ではなく数万円。
・祭壇も仏教の祭壇よりもコンパクトなので安価。
・四十九日用の祭壇はそのまま初盆の祭壇として使用する
(仏教でしたら初盆用の祭壇を用意するので大きな金額が必要になります)
・法要の回数(年忌)が神道の方が少ない
こんな具合に神道ならぐっと費用が抑えられるんだそうです。
神道にもいろいろあって全部の神道がそういう訳ではないのかもしれません。神道の種類によるのかもしれませんが、もし、まだ菩提寺が決まっていない人であれば、また、特段の信仰がないのであれば、仏教だけでなく、神道についても選択肢に入れるのもいいかも、と思いました。
ありがたい香典の数々
母の葬儀に際し、たくさんの香典をいただきました。
母は88歳で生涯を終えました。そんな年齢の、無職で、特段社会的活動もしていなかった母ですが、200件もの香典をいただきました。
香典は故人の関わりの人だけでなく、子や孫等の友人や勤務先などの関係者からもいただくものが多いです。後日、香典の整理の際に、喪主の自分にも覚えのない氏名がたくさんありました。ほんとにありがたいことです。
その香典で母の葬儀費用のほぼ半分を賄うことができました。
まとめ
葬儀の費用は、執り行う場所や参列していただく方の数、さらに宗教によってなどさまざまな要素で変動します。
すぐに思いつかない意外な費用もあり、当初のなんとなくの見積もりより増えてしまうことが多いと思います。
いざとなると葬儀に係る費用を削ることは心理的に難しいです。故人の最期に、故人が喜んでくれる物を選びたくなります。
やはり互助会制度があるのでしたら入っておく方が少しでも出費を抑えられると思います。
もしまだ特段宗教が決まっていないのであれば、費用負担が抑えられる神道を選択肢の一つにするのもありかもしれません。選択するしないにかかわらず、まず情報を収集してみるのがいいですね。